残高確認とは|回答の義務から勘定科目・相手先まで解説

残高確認とは、財務諸表監査における監査手続の一つです。この記事では、残高確認について解説します。

目次

残高確認とは

残高確認とは、監査法人等が第三者から文書による回答を直接入手する「確認」という監査手続のうち、預金・売掛金・預け在庫・有価証券・年金資産・買掛金・借入金など貸借対照表の勘定科目について実施するものです。
具体的には第三者に紙(手紙など)や電子(Emailなど)で「残高確認のお願い」などという案内と回答のフォーマットを送付することにより、監査を受けている会社の決算書の勘定科目の残高が正しいか確かめるために行われます。

残高確認の特徴は、第三者から文書による回答を直接入手するため、一般的に証明力(証拠としての信頼性)が強いということです。なお、残高確認は、経理や監査の現場では「残確(ざんかく)」と略称されています。

残高確認は取引先の会計監査の中で実施されるものであるため、残高確認書を受け取った第三者が回答をする法的な義務はありません。しかし、回答を拒否することは、取引先に重大な影響を与える恐れがあることに十分留意する必要があります。

残高確認の勘定科目と相手先

残高確認の一般的な勘定科目と相手先は以下のとおりです。

預金・借入金

銀行・信用金庫等の金融機関が残高確認の相手先です。

売掛金・買掛金

売掛金は得意先が、買掛金は仕入先が残高確認の相手先です。監査の専門的な話になりますが、最近は買掛金に対する残高確認は有効性の観点から実施されないことも増えてきました。

預け在庫(棚卸資産)

仕入先や倉庫会社などが残高確認の相手先などです。なお、預け在庫とは、他社に預けている棚卸資産のことです。

有価証券

証券会社等が残高確認の相手先です。

年金資産(前払年金費用・退職給付に係る資産・退職給付引当金・退職給付に係る負債)

生命保険会社などが残高確認の相手先です。なお、年金資産とは退職金制度のために積み立てられた特定の資産のことです。

残高確認と会計不正

先述の残高確認の特徴で述べたとおり、残高確認は一般的に証明力が強いため、残高確認により会計不正が見つかることは相対的に少ないと言われています。得意先・仕入先と結託して不正をしている場合にはこの限りではありませんが、不正を実行できる立場にある者は残高確認によりすぐにバレることを理解しているためです。

最も分かりやすい監査手続

残高確認は、最も分かりやすい監査手続の一つです。経理や監査の現場では知らない人はいないため、投資家が知っておいて損はないでしょう。



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