増収減益・減収増益とは前期比の業績の結果のことです。この記事では増収減益・減収増益について解説します。
目次
増収減益・減収増益とは
増収減益とは売上は増加したものの利益が減少することです。また、減収増益とは売上は減少したものの利益が増加することです。これに対して売上も利益も増加することを増収増益、売上も利益も減少することを減収減益と言います。
増収減益の原因
増収減益となる原因は以下のようなものがあります。
- 賃上げによって利益が減少した
- 工場の建設や店舗の出店によって利益が減少した
- 競争激化により粗利率が悪化した
- 原材料等の高騰により粗利率が悪化した
- 利益率の低い商品・サービスの構成が増えた
このうちヒト・モノに投資したことによる利益の減少はポジティブに受け取るができます。一方、競争激化や原材料等の高騰による粗利率の悪化による利益の減少はネガティブに受け取られます。
減収増益の原因
減収増益となる原因は以下のようなものがあります。
- 一時的な要因により利益が増加した
- リストラクチャリングにより利益が増加した
- 不採算商品・サービスの販売・提供から撤退した
- 直営店からFC店への転換を促進した
- 利益率の高い商品・サービスの構成が増えた
不採算商品・サービスからの撤退、リストラによる利益の増加はポジティブに受け取られることがありますが、大規模なリストラが長期的によい結果となった例は多くありません。
複合的な要因
実際には会社の利益は複合的な要因で増減します。例えば、賃上げも工場の建設も店舗の出店も、投資の回収には数年はかかるため、その事象だけを見れば減益要因になります。しかし、既存の商品・サービスによる利益で補填できる場合は、会社全体では増益とすることができます。
会社か経営環境の変化
直感的に分かりやすい増収増益・減収減益に比べて、増収減益・減収増益はその判断が難しいと言えます。収益と利益が逆の動きをしているため基本的には「会社か経営環境に変化が起きた」可能性があります。その上で、増収減益・減収増益の原因を把握して、短期的・長期的な影響を分析することが必要です。