株式分割とは一定の割合で発行済株式を分割して株式総数を増やすことです。この記事では株式分割について解説します。
株式分割とは
株式分割とは一定の割合で発行済株式を分割して株式総数を増やすことです。株式分割が行われると「株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更に関するお知らせ」などというIRが開示されます。
例えば、ある会社が株価100,000円の時に1:2の株式分割が行うと、1株が2株に、株価が100,000円から50,000円になります。発行済株式数が変わることにより、株価・EPS・BPSは変わりますが、時価総額やPER・PBRは変わりません。
株式分割の決議機関
会社法上、株式分割の決議は株主総会で行うのが原則ですが、取締役会設置会社では取締役会で行うこととされています。これは株式分割によって株主が不利益を被ることがないからです。
上場会社は取締役会設置会社のため、株式分割は取締役会で決議されます。
株式分割をする理由
会社が株式分割をするのは、高くなり過ぎた株価を投資しやすい株価にすることで、株式の流動性を高め、株主数や流通株式数、売買代金などの上場を維持するための基準をクリアすることなどが主な理由です。
株式分割の影響
株式分割は企業価値に影響を与えることはないため、理論的には株価に影響はありません。
しかし、実際のマーケットでは株式分割のIRが発表されると流動性が向上して株価が上昇することや、下落するきっかけになることがあります。これはその時の全体相場や個別株の状況により異なります。
①株価が上昇するケース
全体相場や個別株の状況が良い時は株価が上昇する傾向があります。単純に人気の株にエントリーしやすくなることが理由です。
②株価が下落するケース
全体相場の状況が悪い時は株価が下落する傾向があります。また、個別株の状況が良く買われ過ぎているタイミングで株式が分割されると下落に転じることがあります。これは利益確定が原因の場合と、経営者が「株価が(額として)高すぎる」と考えているから株式分割を行ったのではないかと市場に受け取られることが原因の場合があり、後者は株式分割の「シグナリング効果」と呼ばれています。
株式分割の注意点
株式分割の注意点として、株式分割後の株式指標を誤りやすいというところにあります。
簡単な例を使って説明します。
(例)A社は2024年5月15日に決算発表を行った。業績予想の一株当たり利益は100円である。また、A社は2024年6月30日に2024年9月30日を基準日とする1:2の株式分割を行うことを発表した。A社の株価は2024年5月15日が1,000円、2024年10月1日が500円であったとする。
このA社の株式について株式分割をしたことを知らずに10月1日に当初の業績予想と株価を使って誤った株価指標を計算してしまうことがあります。
例えば株価500円÷当初の一株当たり利益100円=PER5倍と計算するのは誤りで、株価500円÷修正後の一株当たり利益50円=PER10倍と計算するのが正解です。株式分割により一株当たり純利益、一株当たり純資産も変わってくるため、株式指標が異様に割安に見える場合は、株式分割がされていないか要チェックです。
自分で計算する時だけでなく、四季報やYahoo!ファイナンスなどの更新も遅れることがあるため注意が必要です。
株式分割はポジションを見直す機会
株式分割は理論的には株価に影響を与えないものの、実際のマーケットでは株価が上昇・下落するきっかけになることがあります。
株式分割に惑わされないことも大切ですが、株式分割によりポートフォリオの微調整がしやすくなるため、資金を回収したり、あるいは、買い増ししたりポジションを見直す機会にすることもできます。