プラチナNISA|最後の資金流入?

新年度に入り「プラチナNISA(高齢者向けNISA)」についての報道が出てきました。

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プラチナNISAとは

「プラチナNISA」とは金融庁が創設を検討していると報道されている高齢者向けの少額投資非課税制度のことです。
まだ報道の段階で正式な発表はありませんが、65歳以上を対象に現在は認められていない毎月分配型の投資信託を非課税とすることが検討されていると報じられています。

プラチナNISAの目的

岸田元総理大臣などが設立した資産運用立国議員連盟の提言によると、プラチナNISAの目的は「高齢者が物価上昇の下でも、投資のメリットを受けつつ、生涯にわたって計画的に運用資産を活用して生活に充てることができるようにする」ことであるとされています。

NISAの影響

第2次安倍内閣は貯蓄から投資というスローガンの下、家計の金融資産を増やして景気回復を進めるために、日銀による異次元の金融緩和やNISAの創設を行い、個人の証券市場への参入が激増しました。
その結果、証券口座(特定口座)の開設数は第二次安倍内閣が誕生したあとの2013年6月の15百万件から2024年6月には46百万件になっています。

特に2020年以降は開設数の伸びが急増していますが、これはアベノミクスを逃してしまった人がコロナショックを機に大挙して市場に参入してきたことが原因だと考えられます。

年月特定口座数できごと
2013年6月15百万件2012年12月第2次安倍内閣誕生
2014年6月16百万件2013年4月~日銀金融緩和
2015年6月18百万件2014年1月~旧NISA
2016年6月20百万件
2017年6月21百万件
2018年6月23百万件
2019年6月25百万件
2020年6月28百万件2020年1月~コロナ禍
2021年6月32百万件
2022年6月37百万件22年5月~コロナ5類
2023年6月41百万件
2024年6月46百万件24年1月~新NISA

出典:日本証券業協会「特定口座の普及状況調査について」をもとに作成

また、これまでの新旧NISAの累計の買付額は2024年末時点で52.7兆円に上るそうです。そして、同期間の日経平均株価は13,747円から39,840円まで上昇しています。
家計の金融資産が増えたこと、個人投資家もマーケットを買い支えてきた一面があることは間違いないでしょう。

最後の資金流入?

65歳以上の方は、現役世代に比べて預貯金の額が多い世代ですがリスク回避傾向も強くなります。プラチナNISAの成否は、どれだけ認知・理解してもらいどれだけ資金を呼び込むことができるかにかかっているかと思います。

NISAが創設されてから既に莫大な家計の預貯金がマーケットに流れてきたハズです。株式市場では投資に真摯に向き合わない限り最後にババを引いた人が負けて退場します。
経済状況次第ではあと一押しあるかもしれませんが、前回の高値が抵抗線になって終わる、最後の資金流入になるというのが冷静に考えたシナリオかもしれません。


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