トランプ関税ショック

4月4日(現地時間)のダウ平均は2,231.07ドル、5.50%の大幅下落となりました。下げ幅は市場3番目とのことです。

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トランプ関税ショック

トランプ大統領は就任前から米国の経常赤字を問題視しており、まず就任直後にカナダ・メキシコに対する25%の追加関税を課すことを発表しました。
そして、かねてから報道されていたとおり、4月4日には日本・中国・EUなど世界中の国々に相互関税を課すと発表しました。しかし、事前の予想を上回る関税率であったため、市場のショックは大きかったようです。

4月4日の日経平均は955円35銭、2.75%の下落、ダウ平均は2,231.07ドル、5.50%の下落となりましが、世界中に波及して世界同時株安に繋がることが懸念されています。

株価下落の兆し

カナダ・メキシコへの追加関税の発表時には、日経平均もダウ平均もマイナスの反応を示しましたが、当時はまだ影響が限定的であると考える報道の傾向があったため、株価が連日下げ続けるほどではありませんでした。

しかし、全ての貿易相手国に相互関税を課す可能性が報道されだすと日経平均チャートと投資部門別売買状況に株価下落の兆しが出てきました。

最も顕著なのが2月中旬の日経平均チャートです。赤丸の2月17日~19日で短期・中期・長期の移動平均線全てがほぼ下向きに変わり、短期線が中・長期線を下回りました(デッドクロス)。私はインデックス以外の個別チャートで売買することはありませんが、チャート分析は信頼しています。

また、投資部門別売買状況では1月は月間で買い越していた海外投資家が2月に入り売り越しに転じたことが、マーケットニュースでも軽く触れられていました。

私の場合、チャートの変化に気づいたあと、運よくこのマーケットニュースを聞いたため、ヘッジ商品を買ったり、ポジションを見直したりしていましたが、トランプ関税が予想以上に強烈で不十分であったようです。

株価下落の兆しは需給の影響も多分にあったと考えていますが、その後、絶妙なタイミングでトランプ砲が発射されました。

様々な投資家の反応

トランプ関税ショックに対する投資家の反応は様々かと思います。

ここ10年まともま世界同時株安がなく新参の投資家にとっては初めての修羅場になるハズです。特に新規参入者の多い日本のマーケットにとって最悪のシナリオは塩漬けで動けなくなった投資家であふれかえることです。

一方で「やっとショックが来てくれた」と買い場を探していたリスク回避傾向が強い古参の投資家も多いと思います。

大相場の終わり?

トランプ関税が経済に与える影響はまだ未知数です。世界的に相場の方向感が読めなくなっていたためマーケットのガス抜きになればいいですが、ここ10年の大相場に出口を示すことになる可能性があります。

唯一の救いは過去のショックと異なって政策が原因であること。つまり、政策の変更により原因を取り除けます。4月7日(現地時間)のダウ平均も大幅に下落していますが、米国と世界の株価がこの勢いで暴落を続けるとさすがのトランプ大統領もブレるハズです。少し冷静に見守る必要がありそうです。

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