記念配当とその影響

記念配当とは会社に関係することを記念して実施される配当のことです。記念配当とその影響について解説します。

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記念配当とは

記念配当とは会社の「上場記念」「創業〇周年記念」「上場〇周年記念」「市場変更記念」などを理由に支払われるもので、通常の配当(期末配当・中間配当)とは別に実施されるものです。期末配当の代わりや期末配当に加えて支払われます。

記念配当が実施される場合、「配当予想の修正(〇〇記念配当)に関するお知らせ」などというIRが開示されます。

例えば、記念配当が実施されることにより普通配当10円に合わせて記念配当5円が上乗せされるなどのような形になります。

記念配当の影響

記念配当に関するIRが発表されると短期的には好材料と捉えられることがありますが、単発の配当であるという性質上、それほど影響がないことがほとんどです。むしろ、記念配当は記念配当終了後の配当政策に与える影響の方が重要です。

記念配当終了後の配当政策

記念配当実施後、つまり、記念配当終了後の配当政策には3つのパターンがあります。

①記念配当終了後に減配となるケース
記念配当が文字通り記念で終わるケースです。
先ほどの例では記念配当終了後の配当合計が15円未満になる場合です。このように事実上減配となることを「記念配当が剥落する」と言います。

②記念配当終了後も配当を維持するケース
記念配当終了後も通常配当を記念配当分だけ増額するケースです。
記念配当終了後も配当合計が15円になる場合です。配当率や配当性向を見直している会社に多いパターンですが、減配により株価に悪影響を与えないように記念配当を機会に配当政策を見直す会社もあります。

③記念配当終了後に増配となるケース
記念配当終了後も通常配当を記念配当以上に増額するケースです。
記念配当終了後の配当合計が15円超になる場合です。業績が絶好調の会社に多いパターンです。

記念配当は配当の推移が重要

記念配当はあくまで単発の配当であるという認識が重要です。増配という言葉に飛びつかず、会社の配当政策を分析することが重要です。

有価証券上場規程405条3項
上場会社は、法第166条第2項第3号に掲げる事実が生じた場合(前2項に規定する場合を除く。)又は同条第2項第7号に掲げる事実が生じた場合は、直ちにその内容を開示しなければならない。

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