暗号資産と投資

暗号資産と投資について解説します。

目次

暗号資産とは

暗号資産とは、商品やサービスの購入、貨幣との交換ができる電子的な通貨です。
ブロックチェーン(情報を世界中の端末に分散して記録・保存する技術)という暗号技術を用いているため、暗号資産と言われています。数年前までは仮想通貨と呼ばれていましたが、近年は暗号資産という呼び方が主流になってきました。

最大の特徴は中央銀行のような発行・管理主体がいないことが最大の特徴です。有名な暗号資産にはビットコインやイーサリアム、リップルなどがあります。

暗号資産の本質的な価値

暗号資産が仮想通貨と呼ばれることからも分かるように、通貨として発明されたものであり通貨と同様に暗号資産そのものに本質的な価値はありません。

株式の配当のようなインカムゲインを得ることはできないからです。また、株式の譲渡でキャピタルゲインを得ることができるのは企業価値が裏付けとなっているからです。

投資対象としての暗号資産

先述の通り暗号資産に本質的な価値はありません。法定通貨であれば需要と供給により為替相場が決まりますが、現在の暗号資産の価格には法定通貨のような実需による影響はないと思われます。

一方で、2010年代初頭から暗号資産はトレードや投資の対象になっていますが、暗号資産には隠れた価値にあると考えています。まず、暗号資産は基本的に発行・管理主体がいないため戦争やデフォルトなどにより通貨価値が下落することはありません。また、暗号資産は発行上限が決まっているため希薄化も起きません。

暗号資産に対するものが「投資」と言えるかはさておき、突き詰めていくと暗号資産には本質的な価値がないことには変わりはなく、ポーオフォリオでの位置づけについて慎重に考える必要があります。

暗号資産の金融商品化について

現在、暗号資産は法律上金融商品ではありませんが、今週「金融庁が暗号資産の金融商品化を検討」という報道がありました。
暗号資産が金融商品化されると投資家保護のための制度整備が進む、新たな金融商品(暗号資産ETFなど)が開発される、現在の税制(個人の場合一般的には雑所得による総合課税)が見直されるなどの可能性があります。

一方で、暗号資産が金融商品化されるということは、ある意味本来の「通貨」として機能しないことを運命付けられるようなものかもしれません。

■資金決済に関する法律 2条14項
一 物品等を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨、通貨建資産並びに電子決済手段(通貨建資産に該当するものを除く。)を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

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