交通系ICカードの会計処理

交通系ICカードの会計処理について解説します。
一見単純そうですが間違った会計処理をしているケースをよく見かけます。

目次

交通系ICカードとは

交通系ICカードとは、主に鉄道会社が発行しているICカードのことです。
代表的な交通系ICカードにはJR東日本の「Suica」、JR西日本の「ICOCA」、スルッと関西の「PiTaPa」などがあります。

プリペイド方式のICカードは要注意

同じ交通系ICカードであってもSuica、ICOCAはプリペイド(前払い)方式である一方、PiTaPaはポストペイ(後払い)方式であるという特徴があります。
なお、PiTaPaは基本的にはポストペイ方式ですが、一部のエリアではプリペイド方式となり、事前のチャージ(入金)が必要になります。

今回は間違いの多いプリペイド方式のICカードのチャージの会計処理を中心に解説したいと思います。

チャージ=利用ではない

よくある間違いが交通系ICカードのチャージ時に、旅費交通費として処理して終わりにしているというものです。

「電車やバスで使うのだから旅費交通費では?」と思われるかもしれませんが、入金しただけでは利用したことにならないため、経費とすることはできません。入金時は預け金として処理するのが正しい会計処理となります。

ここまで聞いたら「まさか預け金に計上して、電車やバスを使う度、旅費交通費に振り替えるの!?」と思われるかもしれませんが、簿記の教科書的にはYESという答えになります。しかし、現実にそのような処理を続けるのは煩雑で困難です。

そこで、以下でオススメの方法をご紹介します。

交通系ICカードの会計処理

2種類の会計処理について解説します。オススメの方法は2つ目の入金時に旅費交通費として計上して、決算時にチャージ残高を預け金として計上する方法です。

(例)A社の営業マンであるBは3月1日にICOCAに10,000円チャージした。その後、3月10日に920円、3月20日に1,160円を鉄道で利用したため、3月31日(決算時)のチャージ残高は7,920円であった。

〔入金時に預け金で処理する方法〕

3月1日(入金時)
預け金10,000現金10,000
3月10日
旅費交通費920預け金920
3月20日
旅費交通費1,160預け金1,160

〔入金時に旅費交通費で処理する方法〕

3月1日(入金時)
旅費交通費10,000現金10,000
3月31日(決算時)
預け金7,920旅費交通費7,920

このように入金時に旅費交通費で処理する方法の方が仕訳本数が少なくなり会計処理の手間を省くことができます。
ポイントはチャージ残高を預け金に計上することですので、決算時には忘れずに残高を確認するようにしましょう。
また、残高・利用履歴のエビデンスも残しておきましょう。

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