株式投資の基礎 第2回【PBR】

第2回の今回はPBRについて解説したいと思います。

目次

PBRとは

株式指標の一つであるPBRはPrice Book-value Ratioの頭文字です。ピービーアールと読み、日本語では株価純資産倍率と言います。

PBRは下記の計算式で計算され、一株当たり純資産に対する株価の倍率を示しています。

PBR=株価÷一株当たり純資産

簡単な設例で見てみます。

(例)A社の株価は270円、一株当たり純資産は300円である。

株価270円÷一株当たり純資産300円=PBR0.9倍

※ 一株当たり純資産は、純資産を発行済株式総数で割ることにより算出されます。

この指標は会社の純資産を、発行済株式数総数で割ることにより、投資額に対する解散価値の割合を示しています

PBRの使い方

PBRはPERより少し使い方が難しいです。これは特に個人投資家の傾向として純資産より純利益が重視されているためです。

先述の通り、PBRは理論的に投資額に対する解散価値の割合を示しています。
会社法上、株主は会社が解散した場合、資産・負債を清算後の残余財産の分配を受ける権利があります。つまり、PBR0.9倍というと「今の株価で会社が解散したら投資額の9割の金銭が戻ってくる」ということを意味していることになります。

ただし、継続企業(清算会社ではない会社)の純資産は簿価純資産であり時価純資産ではないため、必ずしもPBRと同じ割合の金銭が戻ってくる訳ではありません

なお、PBRはあくまで投資額に対する解散価値の割合を示す指標であるため、同業他社比較や期間比較されることもありません。

PBRの基準は?

PBRが投資額に対する解散価値の割合を示しているのであれば、理論的にはPBRの基準は1倍になりそうな気がしますが、目立たない銘柄や斜陽産業の銘柄などのいわゆるシケモク株ではPBRが1倍を下回ることがよくあります。

信じられないかもしれませんが、地方銀行の銘柄などではPBRが0.2倍などになっているものもあります。

PBRが1倍を下回る理由としては、政策的に会社の解散の可能性が低いためPBRが機能していない場合、実際には価値の低い固定資産を保有している場合、業績が不振で将来的に純資産が目減りしそうな場合などが考えられます。

個人投資家にとってPBRは使いどころが難しいですがPBRが1倍を下回っている場合、「何かあるかも」と疑ってみるといいかもしれません。

■会社法105条
株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
 剰余金の配当を受ける権利
 残余財産の分配を受ける権利
 株主総会における議決権



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