引当金とは|4要件から種類まで解説

引当金とは、勘定科目の種類です。この記事では、引当金について解説します。

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引当金とは

引当金とは、将来の費用・損失を見積もって計上する際の勘定科目のことです。引当金を計上することを引き当てると言います。
引当金を計上する理由は、費用収益対応の原則により、当期に発生した費用は当期に計上する必要があるからです。

引当金の計上要件(引当金の4要件)

下記の全ての要件を満たす場合には、引当金を計上する必要があります。これは引当金の4要件と呼ばれています。

  • 将来の特定の費用または損失であること
  • 発生が当期以前の事象に起因していること
  • 発生の可能性が高いこと
  • 金額を合理的に見積もることができること

代表的な引当金に賞与引当金があります。これを上記の要件に当てはめると、給与規程等に基づく①将来の賞与支払いの費用であり、②当期の労働の提供に起因しており、③発生の可能性が高く、④金額を合理的に見積もることができるため、引当金として計上しなければならないことになります。

引当金の種類

引当金の種類は無数にありますが、代表的な引当金には以下のようなものがあります。

勘定科目説明
貸倒引当金売掛金や貸付金などの貸し倒れに備えて計上されるもの。
株主優待引当金自社の製商品やサービスを内容とする株主優待の利用に備えて計上されるもの。
工事損失引当金工事契約から発生すると見込まれる損失に備えて計上されるもの。
工事補償引当金引き渡した工事の瑕疵等による修理に係るコストに備えて計上されるもの。
債務保証損失引当金保証債務の履行による求償債権の貸し倒れに備えて計上されるもの。
修繕引当金毎年必要な設備等に修繕に備えて計上されるもの。
受注損失引当金受注契約のソフトウェアから発生すると見込まれる損失に備えて計上されるもの。
賞与引当金従業員の賞与の支給に備えて計上されるもの。
製品保証引当金販売した製品・商品の瑕疵等による修理・交換に係るコストに備えて計上されるもの。
損害補償引当金訴訟等による損害賠償の支払いに備えて計上されるもの。
退職給付引当金従業員の退職金の支給に備えて計上されるもの。
投資損失引当金非上場の子会社株式や関連会社株式の実質価額の低下により保守的に計上されるもの。
特別修繕引当金数年ごとに必要な設備等の大規模な修繕に備えて計上されるもの。
役員賞与引当金役員の賞与の支給に備えて計上されるもの。
役員退職慰労引当金役員の退職慰労金の支給に備えて計上されるもの。

なお、工事損失引当金・工事補償引当金は建設業、修繕引当金・特別修繕引当金は装置産業、受注損失引当金はソフトウェアなどと主に一部の業界に特有の引当金もあります。

評価性引当金と負債性引当金

引当金は評価性引当金と負債性引当金があります。

評価性引当金は、貸借対照表に計上されている資産から発生する将来の損失に備えて計上されるものです。評価性引当金には貸倒引当金・投資損失引当金などがあります。資産の評価という性質があるため貸借対照表の資産の部に計上されます。
負債性引当金は、将来の費用に備えて計上されるものです。負債性引当金には、賞与引当金・製品保証引当金などがあります。負債としての性質があるため貸借対照表の負債の部に計上されます。

費用収益対応の原則に基づく会計処理

先述のとおり引当金の種類は無数にありますが、費用収益対応の原則がベースにあるということはどれも同じです。まずは全般的な理解を深めましょう。

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