支配株主等に関する事項とは、支配株主等との関係・取引等のことです。この記事では支配株主等に関する事項について解説します。
支配株主等に関する事項とは
支配株主等に関する事項とは、支配株主またはその他の関係会社を有する上場会社が開示する、支配株主等の企業グループでの位置付けや支配株主等との関係・取引等のことです。支配株主等に関する事項は、期末日から3か月以内に開示されます。
支配株主等とは
支配株主等とは、支配株主またはその他の関係会社のことであり、具体的には以下の株主のことです。
支配株主
- 親会社
- 自己とその近親者、それらの者が議決権の50%超を所有している会社及びその子会社が所有している議決権を合わせて、その会社の議決権の50%を占めている株主
親会社は必ずしも議決権数だけで判断されるものではありませんが、その会社の議決権の50%超を所有している会社などのことです。
その他の関係会社
- その他の関係会社
その他の関係会社とは、親会社ほどではないものの一定の影響力のある会社のことです。その他の関係会社も議決権数だけで判断されるものではありませんが、その会社の議決権の20%超を所有している会社などのことです。主にその会社を持分法適用関連会社とする投資会社のことです。
支配株主等に関する事項で開示される支配株主等の多くは親会社、投資会社、創業者の資産管理会社等です。珍しい例では、上場の背景や特別な事情により財務大臣や認可法人などが支配株主等となっている会社もあります。
下記は東電の支配株主等に関する事項の一部です。

過去の例では日本郵政の支配株主は財務大臣でしたが政府保有株式の売出により解消されました。最近の例では東京メトロも財務大臣が大株主ですが、議決権の50%超を保有していないため支配株主ではありません。また、財務大臣は会社ではないためその他の関係会社でもありません。
支配株主等に関する事項の開示理由
支配株主等に関する事項の開示理由は、上場会社を支配していたり、影響力を与えている会社や株主が存在すると、経営の独立性に影響を与えたり、不平等な取引をさせられたり、株式の流動性が低くなったりする可能性があるため、少数株主となる投資家へ支配株主等についての情報提供が必要だからです。
少数株主の保護の方針についての情報
支配株主等に関する事項に記載されている内容の一部は、有価証券報告書の「大株主の状況」や「関連当事者情報」でも確認することができます。しかし、少数株主の保護の方針についての情報は支配株主等に関する事項の開示でしか入手することがでないということは知っておいて損はないでしょう。